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薄明のハイドロレイダー  作者: 小木原 見縷菊
帰り花……——カミング、ノベンバー
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 しらすの塩気が、暖房の効いた部屋の中にふわっと広がった。


 セーラー服だと少し寒いから、女子たちは思い思いのカーディガンを羽織はおる。


 本部の食堂の大きな窓からは、中庭の桜が見えていた。


 授業の合間のごはんが、寒くなってきて最近楽しみで仕方ない。


「ねー……なんで冬って寒いのかなー……」


「それってさ、なんで夏は暑いのかと同じ質問だよね……」


「だってー……!!!☆☆☆」


 幸子さちこがニットごとつっぷしたテーブルは、誰かが丁寧ていねいに編んだのか、レースのテーブルクロスがかかっていた。


 中庭には木枯らしが吹いているのか、落ち葉がくるくると舞っている。


「ほうじ茶入れてきたわよ」


 レイチェルさんの髪型ヘアスタイルがまた変わってる。前はレイヤーボブだったのが伸びて、サイドアップが冬みたいで綺麗。


「ありがとうございます」


「ハピたんちゃんどうしたの?」


「どうもしませんケドー……⭐︎⭐︎⭐︎」


 密かに、アタシはレイチェルさんのモヘアのカーディガンも可愛いと思っていた。ああいうのアタシ、似合わない。


「はぁ〜〜なごむ」


 冬のほうじ茶は、あったかい部屋で食べるアイスくらいにおいしい。


 まだ緑だった桜の色はもうせているけど、それが返って綺麗な気がした。


 冬が、たぶん来ている。

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