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薄明のハイドロレイダー  作者: 小木原 見縷菊
その星は、アトラス……——ポートレート・カフェ
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「今週の、アトラスフリッカーを発表してください——」


 ……小松こまつさん、会議カイギ中だ……


 アタシはエリアBのブリーフィングルーム(大)の丸窓から中を覗いている。


 うしろ手に、こげ茶の本が、こころもとなくゆらゆらしてる。


 ……お、終わったみたい。


「ミカ君?」


「サ、サブロー……」


 会うとは思ってなくて、転びそうになったのを、小松こまつさんが支えてくれた。


「大丈夫?」


「だ、大丈夫です……」


 どうしよう……サブローに直接聞くか……でもなんとなく、サブローは話してくれることは、もう話してくれていると思うのだ。


「こ、小松こまつさん、相談があって……」


「? いいわよ」


 サブローも特に気にする様子はなく、ぴかぴかしてる灰色の廊下を歩いていくのを見送った。


「えっ」


 エリアBの屋上カフェテラス……サファイアブルーの空に、吸い込まれそうになる。


「ミカちゃん、何のむ?」


「えっと……」


 相談しようと思ってたことと、アタシの好きなことが、くるくると絡まって足元を見つめてしまう。


「オススメにしとく?エリアBカフェのおいしいのがあるのよ」


 そう言って、小松こまつさんはアタシをイスに座らせて消えた。


 白いビーチパラソルの向こうに、雲がきままに流れている。


 季節はもう秋だと思う。


 それでも白くて、夏みたいな空だった。

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