658.5 Are you ready?②秘密の女子会
◯◯◯ 白炎サバイヴ、LAST2デイズ
「お姉……忙しーのに、お団子作れるの?」
「作れるに決まってるでしょ?大丈夫大丈夫、幸子こそやり方覚えてるの?♤私たちがみんなに伝える係なんだから」
「わかってるってぇの☆……ていうか由姉大丈夫?お団子置く三方の係、3人くらいでいい?」
「雪姉と幸子こそ平気?そうねぇ……今年は人数増えたから、器もお洒落な設計にしたのよ♡30人くらいでやろうかしらね♡」
私は HyLA本部の大厨房で壇上に上がっていた。
目の前には、三角巾を付けた部屋いっぱいの女子たち。
……え待って、今から作業分担を始める筈なのに、三方作りに30人は多すぎないッ!?あ、良かった、冗談かもう……☆
「幸子、何やればいい?」
ミカ〜〜〜☆☆☆
ちょっ!猫の三角巾カワイイじゃん☆☆
「も、もちきびを砕いて、まずはっ」
「これを砕けばいいの??」
ロボ菜ちゃん、すっごい速さ!!!
ていうか髪切った!?
やだぁ〜☆すっごいカワイイ!!!☆☆☆
「幸子ちゃん、私は何をすれば?」
「私もやってみるわね」
「む、蒸し器を並べて欲しいの!」
リディちゃん意外と力持ちィ☆
てゆかレイさん久しぶり!!!☆
えっ水も入れてくれてるの?
ポニテ姿初めて見たかっこいい〜☆☆☆
……ちょっとドキドキが止まらないかもっ
「ふふ♤出来るわ……今年は最高のお団子が!『蝶子と餡』の蝶子役で、日本の皆んなに数多の和菓子を作ってきたこの私だからこそ出来る!最高のお団子がね!!」
……でもお姉の落ち着いた姿を見て、他のコも一生懸命、上新粉と砂糖と塩、混ぜてくれてる……
出来そう。
無理かもと思ったケド。
HyLAスタッフ及び、Hylub研究員3000人分のお団子が!!!
春のお花見が楽しかった。
みんなのコト、大好きになってきてる。
……だから私は届けたいんだ!
最高のお団子をッ!!!
「幸子さん?」
曲がり角で、シュウジ君に声をかけられた。
「何か手伝いますか?」
「大丈夫!今日は女子会なの☆☆☆」
男の子だっていろいろ頑張ってるよね。知ってるよ!
「ふふ、いいですね!!」
きゃっ☆いい笑顔☆☆☆
「私、材料の補充あるから行くね!」
……なんか6年生になって、ますますカッコ良くなった気がしてドキドキしちゃうよ!
ミカに元気になってほしくて始めたお団子づくり。でも今は、みんなに届けたい。
お姉たちと協力して、元気をあげたい!
だってそのほうが、皆んな元気になるって思ったから……
……お姉は、鑑原病院のことはどう思ってるんだろう。ふと思う。——いつか、三人でちゃんと話してみたい。
かつて、家族と呼べる人を失った。何人も。
そして私たちの気持ちはバラバラになった。でもやっぱり、病院のみんなも家族だから、ちゃんとしたい。側近のサクラさんが、なんだかんだ私のこと、一番分かってくれてるし、大好き。
お姉はこれからの家族の思い出を、どんな景色にしていきたいんだろう。……再建された鑑原モールの未来がどこへ向かうのかも……お姉のこと、今は私たち信じられるよね、由姉。お姉が歩んだ道……私は……一生懸命考えて、お姉の想像する未来に、これを併せたら楽しい!ってゆー音楽みたいな華を咲かせるんだから!
お姉の後ろ姿に、私は光を見たんだよ。
「えぃえぃっ頑張るね!☆」
歌を届けることも頑張りたい☆
HyLAの人たちも喜んでくれる計画にしたいな……秘密ね?☆
まだ、全てを素直に言葉にすることは難しい……
でもシュウジ君は、私が本当はお姉たちを好きなこと、最初から見抜いてくれてる気がした。
台車を押す手が軽いよ!
ピンチはチャンスで乗り越えたいっ☆☆☆
厨房に戻ると、みたらしのいい匂いがしていて、芸術的なペーパークラフトの三方が沢山出来ていた!!!
……私が由姉以外の衣装着ないコト、もう分かってるよね☆
私は懸命に団子のもとを次々と蒸し器に投入した。
ほっこりといい匂いがして、みんなでお茶を淹れて休憩するのもほんと楽しい!!!
この作業、きっと間に合いそう。
ひとり、40個程度丸めるなんて可愛いもんよっ
あつあつのお団子なんて経験済みっ!
出来たら絶対可愛いし嬉しい!!
皆んな、笑顔になろうとしてる……
皆んなを元気にする、それが出来る私たちでしょ!☆☆☆
Are You ready?口笛なんて吹いてみる。
月が沈むまで、まだまだ時間は余裕なんだから!
「熱ッ!」
「大丈夫!?ミカ!!!」
ミカは新しいことを始めたみたいで、疲れてるみたいだ、、むむぅ……
「ミカ、ちゃんと寝てる……?」
「いや……」
もにょもにょと目を伏せる。
もー!心配になっちゃうじゃん!!!☆☆☆くれぐれも健康は大事にしてよね!!!ココロも体もね☆☆☆
…………私はさ、ミカが智恵子おかーさんとシュウジ君と、ハッピーに暮らしてくれるのが結局嬉しいんだからさ☆
「今日は中秋の名月だよ?ゆっくり、ちゃんと休も?」
「わかったー。次の休み、ちゃんと休んで、んー。マイペースにいこっかな。お休みって決めた日は、ゆっくり休むね☆アッなんか幸子みたいな言い方になっちゃったジャン。2025年の中秋の名月は、今日だったねぇ。雲の上にも月は在るもんね。……いい夜にしようね」
◯◯◯
ハイドロレイダーは、
たとえばエレベーターの中で、素敵な姉弟の会話を見たり、
病院で、柔らかい命の強い声を聞いたりして
その人たちの過去や未来を想像して私が得た表現方法で生まれたストーリーなので、
あなたの物語かもしれませんし、そうでないかもしれません。
普段は、あなたの後ろに輝く星たちに紛れて
時々光る、
想像の小さな光になれたらと思っていますが、
白炎サバイヴは、
あなたの光から生まれた、
あなたと見縷菊の物語です。
幸子は見習いたい素敵な人や
自分の仕事に信念を持って、
心を賭して進んできた人をトレースして
表現していますが
今回はかなり共感しています。
ハッピーな月夜を過ごして欲しいです。
ずっとのんびりするつもりは
ありませんけどねv
なんか今回ミルキ長いな…
と思ってるかもしれませんが、
あと1日、2周年デイズ、よろしくお願いします




