表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
薄明のハイドロレイダー  作者: 小木原 見縷菊
偽りの秋桜……——可視懐え、祝宴の空
70/744

68

「「ふぁ~む」」


 円盤の後部座席でウトウトとしていたシュウジとかえでが同時に目を覚ました。


 いつの間にかアタシも少しウトウトしていたみたいで、あくびをしながら周りを見回す。円盤は停車(停盤?)しているようだった。


「なにここ……」


 だだっぴろいアスファルト風の駐車場は、四方を森に囲まれている。


 アタシたちの他にも、いくつかの車が停まっていて、公園?のようだった。


かえでにハーネス付けたよ」


 かえでは呼べば来る猫だけど、ペットAId(エイド)には外出時、ハーネスを付ける決まりだ。途中まで自分で着てくれる仕草が可愛い。


 アタシたちは駐車場の横の売店のテラスであったかいお蕎麦を食べて、気持ちのいい夜の森を歩いた。


 空色の街灯が点々と並んで、夜だけど、不思議に澄んだ青い道。風が、ざわざわと森を通り抜けていくのが心地よかった。


「ここって何なの?」


「……記憶野原きおくのはら


「……それって……!!!」


 急に道が開けた。


 月が輝く美しい草原に、星のような球体がいくつも浮かぶ。


 薄闇の絨毯に星屑をこぼしたようなこの美しいミルキーウェイ。



 このひとつひとつが何であるかをアタシもシュウジも知っていた。



 ここは大世界の人工島(アイランドオブピース)の消失で失われた人々の記憶を弔った墓標の地……。


「……記憶野原きおくのはら……」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ