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薄明のハイドロレイダー  作者: 小木原 見縷菊
サイレントミラー……——歴史を視るモノ
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「何やらかしてくれてんだよ」


「なんか、その眼鏡と白衣、古代のベタな教師みたいだな、そう


 昨日、面談の映像はライブで見ていた。


 シュウジの拉致も。


 コランダムが操られる様子も。


 マックスのエネルギー値に危険な急上昇はもう無かった。それでも、マックスの行動が原因で、コランダム……つまり、ブレイズレイダーが失われた可能性があった。


「お前が乗っとったということで間違いないのか」


「ブレイズレイダーの件は本当にごめん。お前が作ったんだろ?」


「ブレイズは俺じゃない。三島みしまさんや、エリアBの人たちだ」


 始めたのは俺なんかじゃない。


「へぇ……コランダムはそうが関わってると聞いたけど。他の、レイダーも」


「……コロニーに向かった軌道が途中までわかってる。……どこにあるんだ?」


「わからないんだ。宇宙に飛び出したはずなのに、俺だけが元の場所……Eighthエイスのメゾンに戻ってた」


「記憶はあるのか」


「あるといえばある。思い出そうとすれば思い出せるんだ。だけど、自分じゃないみたいだ」


 何者かの介入があるのかどうか、まだ分かっていない。だけど、マックスの単独での行動とするには辻褄つじつまが合わないことが多かった。


「その足……というか半身、自己修復が可能なはずだ」


 お前が消えるつもりがないなら。


 そうであって欲しい自分がいるのに驚いている。自分のことを棚に上げて。


「お前が何なのかまだ分かっていない。人間ヒトであるかもしれない以上、再生省での修復は違法だ。自己修復か義足の装着か、選べ」


「ヒトなわけないだろ……」


「俺はそうは思わない」


 ——……という言葉は、容易に届かないことを俺は知っているのに。


 それでも、闇に流星が降る可能性に、賭けたい自分がいる。

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