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「この白い靄がAIdから発生する物質の流れ、この黒い靄がディストレスから発生する物質の流れだ」
「ってコトはつまりそこに、ディストレスが居るってコトぉー?☆」
サブローと、倉庫で話した日から三日後、アタシたちは全員、トレーニングルームに召集された。
大型モニターに、世界地図が映しだされていて、幸子の質問にサブローが大きく頷いた。
シュウジはのんきにアタシの隣に座って、大画面とハイテクな位置情報レーダに胸をときめかせながらメモを取っている。
「わ!シュウジ君偉ーい☆私もメモしとこー☆☆☆」
「その位置情報は、私たちの端末からも見ることができるんですよね」
雪子さんが眼鏡をかけている。あ、あれって、審判の時で掛けてたやつかも……っていうかなんか、幸子の声、ずっと聞いてたら少し落ち着いて来た。よく見ると由子さんも眼鏡かけてる。高そ……。
「いや、これは敢えて見れないようになっている。君たちには仕事や学校があるし、プライベートの時は忘れて休んでほしいからね。メディカルチェックの結果を基に、これまで通り、搭乗依頼があった後に、検討してほしい」
男子陣が少し残念そうだ。
はいはい、位置情報レーダーなんて、アンタたちが好きそうな形態だもんね!
アタシはため息をついた。
「はい、はい、はーい!☆でなんで~日本ばっかなの?ディストレス出るの」




