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薄明のハイドロレイダー  作者: 小木原 見縷菊
灼熱……——深海のイミテーションブルー
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「え……?」


 みんな、言葉を失ってる。


 石の、玉座の上の天蓋てんがいに……——見たことのある——……


「サブローさん、……ごめん」


「シュウジ!!」


 ……説得……どころじゃないよ!!!


「マックス君!!マックス君!!!」


 真っ黒いつると真っ黒に捻れたみたいなつぼみ……


 夏休みの象徴みたいに、そうちゃんと実華みか、僕の植木鉢を並べて、……綺麗に咲くように、楽しみだったシルエット。


 天狗のうちわみたいな葉の重なりが、古代ギリシャの石柱に絡みついて、ファンタジー世界の窮地みたいに錯覚する。


「マックス!!!」


「ジュン君!!!」


 玉座の階段を駆け上がる……


 壁から垂れた腕をジュン君と片腕ずつ引っ張る。


「どういう状況……?喋れる!?」


 ……壁……じゃない。


「茎だ……アサガオの!!!マックス!意識はあるのか!!」


 腕は暖かい!!!


 ……葉の陰になっててマックス君の下半身がどうなっているのか見えない……


「マックス!!ふざけんな!!!帰るぞ」

「か、帰ろうよ!マックス」


 きっともう、無理なんだという言葉がぎる。


「マックス君!!!」


 融合再生リサイクルが起きているのか……?


「マックス君!!!」


 瞳が……


「マックス君!!!!」


 瞳が開くけど……


「帰ろうよ!!マックス君!!!」



「……なんで来たんだよ、シュウジ」


 壊れそうな黒が、僕たちを見下ろしていた。

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