表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
薄明のハイドロレイダー  作者: 小木原 見縷菊
黒の花……——極夏のホライズン
635/744

599

「僕と来てよ、シュウジ」


 ——かせは、きっとHyLA(ハイラ)が外してくれるだろう。


「いかないよ」


「どうして?僕が嫌い?」


 思いがけない質問に、言葉が詰まる。


「シュウジ!!!」


あね!!!」


 ハイドロレイダーが砂煙を上げて走ってくる。


 ライトを浴びるマックス君に向き直ると、笑顔が消えていた。


「もう、逃げられないと思うよ」


「意地悪を言うんだな。……僕は消されると思う?」


「誰に?」


 マックス君の中で、誰がそんなことをするという幻想があるんだろう……


 そう出来るなら、誰も傷ついたりしないのに。


 そらを跳ぶ円盤から、グングニルスタッズが降って来て、マックス君と僕の間を隔てた。


 子どもでも知ってる。びょうびょうの間には見えない電撃(ホログラムブリッツ)が張り巡らされていて、越えようとすると身体が麻痺する。


「マックス君、馬鹿なこと聞くよ、仲良く出来ないのかな、僕たち」


 そう出来るなら、マックス君はこんなことしていないのかもしれない。


「仲がいいと思っているのは、こっちだけ?シュウジ」


「思ってたよ」


 そうなれたらと。始めは——……


 波風を、張り巡らされた仕掛けが蒸発させて、マックス君の姿が蜃気楼みたいに歪んだ。


「……待ってよ!!」


 マックス君の身体の上を、電撃が弾ける。


「なんで……なんで倒れないの!?」



 ——AId(エイド)だから。



「シュウジ!!!乗って!!」


 引っ張られた腕が、真夏みたいにアツくて……——哀しかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ