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もう、深夜だ……
交代で仮眠をとって、シュウジの行動を追った。
「新幹線を乗り継いで、西に…向かってる」
宗ちゃんは休んだのだろうか。
思いついたように淹れたほうじ茶を差し出すと、兄はやっと笑ったように見えた。
シュウジは無事のようだった。
時折、アタシたちにメッセージを送る姿が見てとれた。
ショーコはシュウジが家に運び、今はHyLAに保護されている。
乗り継いだ鈍行に揺られるシュウジを見ながら、アタシは疑問を投げかけた。
「アタシが悪いのかな……」
「違うよ」
サブローはすぐにそう言ったけど、シュウジに起こったことも、ショーコに起こったことも、アタシに関係がある気がしてならない。
「アタシが……」
マックスに何かをしてしまったのだろうか。
「ミカ、アイス食べよ?」
雪子さんが、買ってきてくれたアイス。
シュウジの行動データは、雪子さんも、由子さんも、解析を始めてくれていた。
「ミカちゃん、そのアイス、ほうじ茶に合うわよ」
ホログラムモニターを見ながら、雪子さんが言った。
銀のスプーンが、ペンダントライトの明るさを反射して冷たく輝いている。
「母もよばれよ。ん!美味しいよ、ミカ」
スプーンの上の冷たいバニラはほうじ茶に合って、アタシは涙が止まらなかった。




