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三叉路の信号が、赤に変わった——……
シュウジの水素針が、マックスの銀色のダガーを受け止める。
胸に輝くEighthの赤い八芒星の記章が、太陽を反射して目が眩む——
日傘で迎撃体制を取ったショーコのカウンターは空を切り、見慣れた筈のHyLAのジャケットが翻って、日傘が宙を舞った。
「シュウジ!!」
ショーコを庇うように腕を伸ばしたシュウジの背中を、マックスが切りつけ……
「シュウジ!!!」
「服が切れただけた、みっちゃん」
「ミカ!!!……ショーコちゃんとも……連絡が取れない……」
嫌な予感が、背中を冷たく覆う。
「待って、何か話してる。三島さん!音量上げます」
——どこにいたんだよ、✳︎✳︎✳︎✳︎君!!何……やってんだよ!!
——……
マックスの唇の動きを必死で読む——
「遊ぼう……よ?」
——何言ってんの!?✳︎✳︎✳︎✳︎さん!逃げてHyLAに連絡してっ
「ショーコ!!!」
「大丈夫だ!!!」
ショーコか倒れた……怒りで、涙が溢れる——
「ショーコさんのバイタルは問題ない。気を失っただけだ」
マックスのもう片方の手に、真っ黒な水素針が握られている。
——要求は?
ショーコの前にシュウジが立ち塞がる。
(遊んでよ、シュウジ)
——✳︎✳︎✳︎✳︎さんを家に送らせてくれるなら。
マックスが頷いたように見えた。




