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薄明のハイドロレイダー  作者: 小木原 見縷菊
黒の花……——極夏のホライズン
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 母からボールペンをにぎらされてアタシは味噌汁をこぼしそうになる。


 書類に目を走らせる。


 かなり沢山の内容が書いてあるけど、読書で鍛えたななめ読みがこうそうしてる。


 つまり、本来はプライバシー保護の観点から、個人の私行動を本人の許可なく第三者が追うことは違法になるところ、本人が失踪者として認定された場合、血が近い母とアタシのサインがあれは、過去にさかのぼりシュウジの行動を公の権限で追うことが出来る。


 ——といった書類だから、アタシは急いでサインを済ませ、母にバトンを渡し、母のペンも駆け足で書類の上を走った。


三島みしまさん!」


 書き終えた書類をそうちゃんがサブローに渡し、内容がホログラムスキャンされる。


「OK!SIAM(くに)の許可が降りた!」


 ちゃぶ台の上の空間に、ホログラムのシュウジの姿と共に、半径6メートルの世界が展開される。


 見覚えのある景色。


三叉路さんさろだっ。……シュウジ君、誰といるんだろう」


 ホログラム上、シュウジ以外の人は、身長、服装のみが分かるように認識が阻害される。


「でも……」


 ——見覚えのある……スカート。


 栄養学に特化した、女学校の制服。


「ね、ミカ、シュウジ君がしゃべってるコって……」


 合格祝いのお茶会の時に、着てみせて!☆と幸子さちこと盛り上がって、着てくれた深緑の制服。アタシはそれを覚えていた。


「ショーコ!!!危ない!!」


 背後に……——赤い、八芒星はちぼうせいが——

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