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薄明のハイドロレイダー  作者: 小木原 見縷菊
夏の日のミラージュ……——甦れ!草原の風
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 同時刻、エリアハワイ、マウナケア山頂上のホーリーハイビスカスも無事、撃破された。

 金色のブレイズレイダー、銀色のヘブンズレイダーの大勝利だ。


 その夜、シュウジは、六畳のほうの畳んだアタシの布団の上で、かえでを抱いて丸くなっていた。


「シュウジ、カシューナッツ、食べなよ」


 アンタがカシューナッツが好きなこと、あねのアタシは知っていた。


 アタシはティッシュにカシューナッツをたくさん出してやって、シュウジに渡してやった。


 今日くらい、布団で食べても良しとする。


 のそのそとシュウジが部屋の隅から出てきて、ひと息ついてるみんなに、麦茶を注いで回りだした。

 そして、アタシの隣に座る。


「お疲れ、シュウジ……」


 かえでを撫でながら、アタシは弟をねぎらった。


あね


 テレビでは、弟の好きな芸人がヨガボールに乗ってけん玉をしている。

 ちょっと笑ってしまう。


「何?」


「僕さ、実はカシューナッツ好きじゃなかったんだ」


「え?」


 アタシは驚いた。


 母はアーモンド。アタシはピーナッツ。シュウジはカシューナッツでしょうよ。まさか……。


「優しさってやつ。まぁ今は本当に好きになったけど」


「っそ。いいんじゃない?」


 そういうシュウジが。


「まぁね」


 かえではアタシの膝から降り、シュウジの傍へと戻っていった。


玲鷗れおん君!筋トレしよ~」


「いいぜ!」


「ちょっ!ここでやらないで貰えます!?」


 賑やかな夜もいい気がした。


 補えばいい。

 だってアタシはお姉ちゃんだから。


 かえでが、今度はそうちゃんの膝で嬉しそうに鳴いた。


 窓の外には、黄金の満月が輝いている。

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