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薄明のハイドロレイダー  作者: 小木原 見縷菊
ノア、インザフォール……——満ちる赤富士
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「あと少し一日をやり過ごせば、明日は休みだもん……」


 今日の授業は振り替えてもいい。


 小松こまつさんはそう言ってくれたけど、今日は身体を動かす授業もなかったし、アタシは頑張って授業に出ることにした。


 昨夜の網解あみほどきが思いのほか時間がかかり、布団に入れたのは、深夜2時過ぎ……6時起きのアタシにとってはしんどい入眠時間だ。


 だけど、あまりに眠るのが遅くなった時ってなんかめちゃめちゃハイになってて、昨日はいけると思ったんだよね。


 でも流石に、空き時間に昼寝はした。


 午後の化学の授業は、東北の湖の底のひんやりした岩の水族館みたいな施設。


 アタシは綺麗な景色に癒されながら、ノートを抱えて廊下を歩く。


「あっ、」


 前からエミリーさんが歩いて来た。


 そりゃそうよね、この施設が2組のホームだもん。


「お、おはようございます?」


 もう気持ちの良い午後だというのに、昼寝から目覚めたアタシはそう言ってしまって口を押さえた。


「……おはよ」


 エミリーさんは、涼しそうなオーバーオールに、薄手の作業着を羽織って、ふわふわのピンクブロンドはポニーテールにきちんとまとめていた。


「眠い……ですね」


「まあね」


 それでも姿勢の良いエミリーさんは、じゃあ、と短く言うと、どこかに消えてしまった。


 それでも、なぜかアタシは、何かに少し近づけた気がしたのだった。

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