573
「ぐっぅ!!!」
秒速で展開した光の剣が、割れるように振動する!!!
暗闇から、光に反転する!!!!!
小笠原の浜辺に、一斉に照明が降ってくる!!!
「対象!怯んでるわ!!!」
HyLAの幾百の円盤から降るサーチライトに照らされて、フィンヨンの白い機体が発光していた。
「お……重っも――っっ!!!」
これまでにないくらいの大きさの亀の身体は、別の生き物のように高速で跳躍し、浜辺を蹂躙せんと、闇雲に突進を繰り返した。
「ダメ!割れない!!!硬すぎる!!!」
「こりゃ動きが予測できないね……」
リイヤの爪のような熱波も、空を切っていた。
「何……何しようとしてるんだろ……」
アタシのイヤリングに、良くない予感が走る——……。
「ねぇミカ!誕生日おめでと!!!」
「……——今っ!?」
色々ありすぎて忘れてたけど、今日はアタシの誕生日だった!?っえ、誕生日だったじゃん!!!
「そーだよ!援護してね!!!☆☆☆」
——コランダム改が光の合間を跳んだ。
その手に、プリズムを放つナイフを宿して。
「てーいっっっ☆☆☆」
亀の甲羅に亀裂が入る!!!
「姉!!」
「う……うん!!!」
悩みで、靄に包まれてた……
「「「薄明の光が白炎となる」」」
今更、色んなことがどんなだったか、気になり始める。
周りの表情……今日どんなだっただろうか……思い出せない。




