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「綺麗…………」
エリア小笠原、父島の浜辺に、満点の星が降る。
「ここが同じ東京なんて……」
見慣れた灰色の夜も好きだけど、もうすぐ夏の海の夜。
黒いビロードに星の砂を零したみたいな満天の夜空——……なんて綺麗なんだろう。
静かな波の音……
「姉、全画面にすると、180度周りが見える仕様に出来るようになったみたいだよ」
「——ッ!!!」
……これがミッションだということを忘れそうになる。
「天井が無いと、見通しがいいな」
コックピットにごろんと身体を預けて、ジュンがふぅ、とため息をついた。
「プラネタリウムみたいだよね、ジュン君。なにげにこのカプセル、座り心地いいし」
姿勢に合わせてサポートしてくれるホログラムシートバッグは、宇宙を見上げると、寝椅子のように、フンワリ身体を支えてくれた。
「ちょっとー!もうすぐ来るよ!今回の目標!でも確かにキレーだね」
闇の中で、コランダム改の姿は見えないけれど、幸子も感動してるみたいだった。
「三日月も綺麗」
リディアの穏やか声が、どこかから響く。
これから欠けていく三日月が、儚くて綺麗だ。
父島の海岸に現れると予測されたディストレスを待つため、アタシたちは闇の中にいた。
「寝るなよ、リイヤ」
「バレたか……ジュン。ふあぁ……」
SLT揃い踏みで迎え討つ!!!




