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薄明のハイドロレイダー  作者: 小木原 見縷菊
孤高のヴァイオレット……——人類のアーティチョーク
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「なんか……おうち広いですね……」


 シンプルなダークブラウンのアンティークテーブルに、ウォールナットのダイニングチェア。


 全体的にこげ茶に統一された落ち着いた広めのダイニングキッチンに、オレンジの灯り。


 スミレ色の壁紙と絨毯じゅうたんがオレンジの灯りをほんのりピンクに見せているように思った。


「そうでもないわ」


 先ほどれてくれた紅茶の湯気を見つめながら、ミシェルさんはぽつりとそう言った。


 人形のようなサラサラのプラチナボブと、あおい瞳。


 マシュマロのようなふわふわな部屋を想像していたアタシには、こげ茶と紫のシンプルな部屋は、なぜか寂しい気持ちになるような、落ち着くような、不思議な心地だった。


「私の家なんて、四畳半と六畳の二間ですよ」


 ドアの多さに、かなりの広さを想像したアタシは、自分の家を気に入っているにもかかわらず、なぜだか比べるようなことを言ってしまう。


「ヨジョウハン……」


 ミシェルさんは、大切なことを復唱するようにつぶやいて、その表情はどこかリディアの表情に重なるように思った。


「や、すみません!覚えなくていいんで。ロンドンでは四畳半みたいな測り方しないですよね!っていうか、ミシェルさんロンドンの出身ですか!?」


 変な汗がとまらない……

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