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薄明のハイドロレイダー  作者: 小木原 見縷菊
風……——朱と蒼の協奏
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 お店の角にえられた、古代っぽいブラウン管風のTVには、古代のアニメの再放送が流れていた。


 これ、シュウジの好きなやつだ。あっそうちゃんも好きだったね。はしが止まっていた。


 でもアタシも好き。


 アタシとは真逆の、超活発な高校生が、願いを叶えるために冒険に出るところから物語が始まるストーリーだ。ま、主人公はそのコじゃなくて、確か宇宙人?の男の子なんだけど。


 ちょっとシュウジっぽいというか、シュウジがそのアニメキャラに憧れていたからかもしれないけれど。


 CMに入り、ハピたんのアイスのCMが入る。


「なぁそう、このコ、幸子さちこサンに似てない?」


 モーリスがぼんやりとそう言った。


 はっとして、そうちゃんが再びはしを進める。


幸子さちこさんだよ」


「あっ、そうなんだ」


 なんか、前に幸子さちこが言っていたように、HyLA(ハイラ)の人ってあんまり動じないというか、まぁ仲間にいちいち動揺してもね……最初のアタシみたいに。でも振り返ると、リディアはキュン⭐︎としてる!だよね、そうなるよね!!


 CMが終わって、アニメの後編が始まる。


 そうちゃんが画面をまた見始めたタイミングで、アタシはモーリスにいた。


「あのさ、2組って、楽しい??」


「ん?」


「ん??ごめっ、モーリスも観てた??」


「観てたけどいいよ、DVD持ってるし」


「そ、そうなんだ」


 恐るべし、日本の古代のアニメ。……じゃなくて、アタシはきたいことをいていく。


「3組は?」


 と思ったら逆質問!?


「た、楽しいよ」


「1組も楽しーよ☆どしたのミカ」


「いや……っていうか、1組楽しいんだ」


「?うん、まぁべったりって感じではないけどね」


「あ……ミシェルさんって1組だよね?どんな人?」


「ミシェル?えー、サッパリしたいい子だよ。絵がうまくて」


「そ、そうなんだ」


「どした?ミカ」


「う……いや別に」


 なんていていいのかわからなくなり、言葉に詰まる。


「今日、授業で一緒だったんだよね、ほっしー」


「そう!だからどんな人なのか気になって……」


 リディアの気配を探るけど、ミシェルさんの名前が出ても、特に気にする様子は無さそうだった。


 ——何かあるというより、何もない。


 そうなのかもしれない。……気にしているのはアタシだけなのかもしれない。


 だけど、アタシの中のモヤモヤはなぜだか消えてくれないのだった。

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