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眩しいプリズムが夕陽の中で拡散し、ミルクティー色のふわふわのツインテールが目の前でふわりと跳ねた。
「えっ……?」
夕陽の中に、テレビの中で憧れたアイドルが現れる。
溢れる光を放って。
飴色の瞳の中で、夕陽が宝石みたいに光ってる。
妖精の魔法みたいに。
天使の祝福をもらったみたいに、アタシの時は止まった。
「えっ…………?」
変装を解いた幸子が悪戯に微笑む。
「え…………キ、キ、キ、キ、キ、なにすっ——…………!!!!!!!」
まだ感触が残る頬から、アタシの心拍数は爆発する。
「なんかミカ、変な顔してたんだもん☆サービスだよ~☆えっへへ、ミカはチョロー☆」
うぅ……!!アタシってチョロかったのか!!!
「研究者とかさ、趣味がハッキリしてる人に多いよ~ファンみたいな感じにならない人。さっ、早く帰ろー☆お腹空いちゃった☆」
うぅ……確かに、宗ちゃんとシュウジは今はHyLAに夢中だ。おそらく玲鷗も。(ごちゃごちゃ居すぎて忘れてたけど、そういえばサブローも居た……)。ショウコも紅茶に夢中だし、幸子にとってキラキラせずに話しやすいのかもしれない。趣味……趣味か……。
本読む時間、ないんだもん!!!
心の中で言い訳を繰り返しながら、絶好調に元気な幸子の隣でワープした。
「ねー今日のおかず、なにかなー?☆」
「……知らない。またポテトサラダじゃないの!」
「えーポテサラ大好きー☆でも違かったら悲しーから、予想しないでおこー☆」
「なんで聞いたの!?」
スチール風の階段をカン、カンカン、カンカン……と鳴らしていく。
鍵は開いていた。
「……あのさ!」
玲鷗が畳で腕立てをしている。
「自分ちでやってもらっていいですかね!?」




