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「えッ……部活?」
「……そうだが」
記憶野原から帰ってきて、GW中日。
全部の授業が終わって、篠坂先生のHRが終わって、夕暮れのマンハッタンを見下ろす教室で、アタシは言葉を失っていた。
今から始まる本格的なGW。
心がすっきりしていて、前向きな気持ちに溢れていて、アタシは何かをしたい気持ちが湧き上がっていた。
いつものお休みのように、図書館に籠って、知りたいこと全部飽きるまで、調べるのもいいと思ったけれど、新しいことを始めたい気持ちになっていた。行ってみたいところに全部行ってみたい。
けれど、小学校を卒業したばかりのアタシは、子どもだけで初めての場所に行くことをしたことがなかった。
そういう挑戦を一緒にしてきたショーコは弓道部で予定が埋まってるし、幸子はライブだし、他のみんなも部活やHyLAのシフトが入っていたり……アタシはなんとなくインドア仲間のジュンに声をかけたのだけど、いつの間にかジュンも部活を始めていたなんて……。
「な、なに部よ」
「美術部だが」
っていうか部活?Hylubに部活があったなんて……。
「Hylubというか、HyLAには様々な嗜好のスタッフがいるからな。機関スタッフのための部活、というところだ」
……知らんかったよ。




