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「がっはっはっはっは!」
四畳半のちゃぶ台で、玲鷗が豪快に笑っている。
金髪と白い歯が夕陽を反射してやけに眩しい。
「はい、みっちゃん」
下の部屋で揚げてきてくれた唐揚げを宗ちゃん、というかなぜかアタシたちの叔父を名乗る星ヶ咲宗二という男がアタシの前に置いた。
赤いゴーグルのせいで表情が見えないけど、そうそう、宗ちゃんの唐揚げって本当においしいんだ。
「あ、ありがとー、ゴーグルおじさん」
幸子の手がアタシの唐揚げが乗った呑水に伸びてくる!
「ちょ、幸子!これアタシの唐揚げ!」
慌てて山盛りの唐揚げを確保する。
「いーじゃん☆いっぱいあるんだからぁ~☆」
「嫌だッ!」
それでなくても最近この家のおかずは、光のスピードでなくなってしまう!確保確保っ。
「けちー!☆」
「たくさん食べたでしょ!ていうか、幸子!搭乗中に私語やめなよね!」
正直言うと、幸子のおかげで肩の力が抜けたと思う、……けど。
「LIVE音声は切ってたもーん☆てかね、ミカとシュウジくんとおじさんさ、即時吹き替えしてるじゃん?☆アタシも、ハピたんぽくない振る舞いは切っちゃう設定にしたのだー☆」
「……あっそ!」
心配してソンした。
なんか、幸子は思ったより普通の中一で、でも仕事の時はプロだと思う。
ハピたんの存在が誰かの心をあったかくしてるのは間違いないから。
それにしても玲鷗の声はやたらデカイし、搭乗の打ち上げも毎回ウチでやる感じデスカ???
なんかこう、なんかこう……ないんですかね!?場所!!




