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HyLAエリアBレイダー開発研究所所長小松零未さん——。
レイダーの製作・実装の全てを、小松さんが把握し、理解している。
彼女がいなかったら……惑星は滅亡していた。あのXデーに。いろんな人にそう聞いた。
でも実際の小松さんは、丸眼鏡が気さくで可憐で——。白衣の下のプロポーションが抜群だったりする。
HyLA-Eighthのエリカさんと並んで、アタシが憧れている人。こんな風な大人になれたらいいなって思ってる。
ウサ太郎の検査は、リエナさんが担当してくれたけど、ウサ太郎の白いチョッキを作ってくれたのは小松さんだ。
受取った時、幸子も嬉しそうにしてた……のに、なぜかアタシの後ろに隠れて、こそこそしている。
「あ……すみません、小松さん、忙しいのにお時間作っていただいて」
アポイントは、サブロー経由で取ってもらった。まだ直接話しかけるのは緊張してしまう。
「大丈夫よ」
小松さんの笑顔って安心する。
「ていうか幸子っ話しなよっ」
エリアBの小松さんの書斎は、遥か天井まで四方の壁全部に、さまざまな科学の本が収められていて小松さんの人柄そのもののようだった。
「まぁ、座りましょ?」
書斎みたいなデスクの周りに、アタシたちはちょこんと座った。




