500
「Sea Leading Teamでしょ?」
「それはわかってる」
幸子はウサ太郎を膝から丁寧に降ろして、立ち上がった。
「……結局さ、ブルーホールも海だし、水陸対応機がたくさん必要になってくるでしょ」
アタシは、膝に乗って来たウサ太郎を撫でながら頷く。
……ま、まぁね。でも幸子は——変形が極端に苦手らしい。それに、今はコランダムがない。
ヘブンズレイダーで空水両用機なんて、シュウジたちが喜びそうだけど。
ただ、雪子さんも由子さんも……変形適正が薄いらしいというのを訊いた。
……アタシにはなんとなく、鑑原三姉妹が変形適正が薄い理由が分かっていた。
特に幸子……。演じているようでいて、幸子は裏表がないと思う。自分に正直で、真っ直ぐだ。
……変わる、必要が——無いように思う。
変わりたい、と強く思えばいいなんて、幸子には言えない。アタシ自身、幸子にそのままでいてほしいからだ。
でも仁王立ちで見下ろす幸子は、半ば怒っているようで、何かを言って欲しそうに見える。
やれる人がやればいいんじゃないの?とも、安易に言いたくなかった。
「ひとまず、小松さん辺りに相談する?」
困ったときの小松さん。
最近シュウジが、呪文のように唱えている台詞だ。
「あの人か……」




