表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
薄明のハイドロレイダー  作者: 小木原 見縷菊
イルミナルブラッド……——赤目のフェイクファー
514/749

488

「マックス君っ……チョッチョッチョッチョ……」


「ぎょ!シュウジそれ猫呼ぶ時のカンジじゃん!!!」


 それでも、コランダムの姿をしたマックス(仮)は、こちらに振り向いた。


 ——死ぬ。……怖い。


 血をこぼしたみたいな真っ赤な瞳がアタシたちを見下ろしてる。


「ま……マックスくん……?……いいこ?いいこだよねぇ???」


 震える声でアタシもそう言うしかない。


 ……ゴゴゴ——……という怒りの効果音が後ろに見える……気がする。大丈夫……?ねぇ、怒ってない?彼!


「大丈夫だよ、安心だよ」


 シュウジがへら、っと微笑んで、マックス(仮)の動きが停止した。


 震える手をごまかすように、アタシはシュウジの腕を強くつかむ。


「マックス君……帰ろう?」


 不思議と、アタシはシュウジの声が、彼に伝わっている気がした。


 マックスは……探しているのだ。帰る場所を。


「待ってるよ、幸子さちこさん」


 それは分からないとも思う。


 幸子さちこ自身、傷ついている。


 シュウジの言葉はまやかしかもしれない。


「僕がさ、一緒についていくからさ」


 それでも、その力強さに、アタシは……たぶん皆は何度も流された、というと人聞きが悪いかもしれないけれど。


「帰ろう?」


 それでも、繰り返される光に、そういう気持ちになって来るのだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ