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「怖ぁ……」
観覧車の基礎がむき出しになった場所に、コランダムの成れの果てみたいな真っ赤なレイダーが何かを探しているようだった。
——悲し気に。
「ほんとにだいじょぶなのかな……」
ついそんなことを呟いてしまうけど、アタシはもう大丈夫な気がしていた。
「たぶんね」
弟は、碧い傘の下で、たぶん、と繰り返している。半笑いで。
窮地に立たされるほど、弟はいつも笑っている気がする。
バカじゃないの、と思いながら、つられて肩の力が抜けてしまうのだ。
今まで見たことないような、真っ赤なレイダー……。
でも、その瞳は、小学校で昔飼っていたウサギ小屋のウサギの真っ赤な瞳に似ていた。
強くて、柔らかで、必死に生きる生き物の瞳。
この存在が、幸子の家族なのかはわからないけれど、このこはうさぎみたいな存在なのかもしれない。
「……どうするの?」
アタシは声を落として尋ねた。
「まさか撃たないよね」
サイコプラズマワルサーを構える弟は、少し緊迫していて、でもいつもの柔らかな弟でもある。
「どうしよ」
いや、策無しかい!
アタシは弟の背中に手を置く。鼓動は穏やかだった。
「……名前を呼んでみようか。幸子さんのマックスって、男の子だよね?」
「そう言ってたと思う。たぶんね」
「OK」




