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薄明のハイドロレイダー  作者: 小木原 見縷菊
白鯨……——蒼空のスプリット
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「ね、アパートに帰ろ」


 幸子さちこは急に言った。


「……いいよ」


 アタシはハンモックを降りた。


 幸子さちこは毛布に包まっていてもプリズムを放っていた。


 ライブを来週に控えて、やる気を取り戻したのかもしれないと思った。


かえでちゃんに会いたいし」


 けどそうじゃないってわかった。



 このところ、留守にしがちな地下基地の木造風アパートは、今日もいつものように、懐かしくたたずんでいる。


 スチール風の階段をカン、カン、と上がり、幸子さちこは当たり前のように我が家のドアを開けた。


 温かいお味噌汁の匂いと、畳の香りに深い息がこぼれる。


「おかーさん、ただいまー☆☆☆」


幸子さちこちゃん、ミカ、おかえり!!!」


 いつも元気な母は今日も元気で、HyLA(ハイラ)の事務職の制服をきちんと身に着けていた。


「お米炊いてあるから、おにぎりにしてもいいし、卵かけご飯にしてもいいし」


「わーい☆☆☆」

「ありがと」


「仕事行くね」


「いってらっしゃい☆☆☆」

「うぃ」


 アタシたちは丁寧に手を洗って、ごはんをよそい合った。


 かえでが足元をうろついたけど、久しぶりにやたらにお腹が空いていた。


 アルミサッシのりガラスを透過した光が、プリズムとなってかえでのゲージに光を落としている。


「おなかいっぱーい☆コーヒー飲みたいなー……」

「だね」

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