表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
薄明のハイドロレイダー  作者: 小木原 見縷菊
緑の瞳……——コランダムの葉脈
493/745

468.5 手記18

三島みしま!!!」


 軽やかに蒼空に飛び出した俺は、着地点を見失った。


 手足の感覚が繋がらない……——。


 もがくように足掻いて、天地が流転する。


 あおいコックピットの中が、モノトーンに点滅する。


 手を伸ばしても、届きはしないのに……。


三島みしま!!!」


 拓海たくみの絶叫のあと——何かが折れる音がした。


 ——全身の感覚が……い。


 鮮やかだった新しい視界せかいが、今はモノクロームシネマのように、近くて遠い世界だ——。


三島みしま三島みしま!!!」


 拓海たくみの声が遠くなっていく……。


 ――うまくいかなかったのか……?


 俺に出来るわけがなかったんだ……。


 心のどこかで分かっていたことが、さざ波のように押し寄せる。


 ——操縦管を、未だ握っていることに今更気づく。


………………」


 痛みを通り越している……どこかでそれが分かっていた。


 ——死ぬのか?初動試験に失敗して。


 それもいいと思った。


 そうやって、俺たちは学んでいく。


「た……くみ…………」


「お前まで居なくなるのか!!!」


 ——いなくならないよ。……俺は。


 手が動かない……けど、俺は強制射出ボタンを探った。


 ——息が……うまく出来ない。


 ボタンはすぐそこだ。


「強制射出出来ない!!!お前が、お前が戻って来い!!!」


 俺なんかに出来るのか?仁花にか……

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ