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薄明のハイドロレイダー  作者: 小木原 見縷菊
雪原の大華……——巻き起こせ、天の奇跡
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 ボーダレスオブハート鑑原医師会。


 世界中に分院を持つ、過去、最も人を救った医師団創始者を始祖に持つ、本院院長の三女、ハピたんのデビュー映像を、アタシは家のテレビで観ていた。


 当時、小学4年生の少女は、太陽みたいなキラキラの笑顔でステージに立っていた。


 七光ななひかり、と揶揄やゆするメディアもあったが、アタシはそう思わなかった。


 ほとんど同い年のハピたんのキラキラの笑顔は、七色のプリズムに包まれて、アタシも少しだけなら……明日もやれるかもしれない。


 そう思った。


 ボーダレスオブハート鑑原医師会の本院は……

 大世界の人口島(アイランドオブピース)にあった。


 消失後も、鑑原かがみばら三姉妹はそれぞれ活躍を続けた。


 悲劇の姉妹を人々は崇拝し、熱狂し、愛した。


 彼女たちの活躍は、消失で大切なものを失った人たちの希望のひとつだったに違いない。



「「「ごめんね」」」


 ホーリーサンフラワーを撃破した次の日、姉妹は揃ってアタシに謝罪した。


 姉妹は充分過ぎるほど、レイダーに向き合ってきたと思う。アタシは、悪いことをされたなんて思ってなかったけど、謝罪を受け入れた。そのほうがいい気がしたから。


 みんな、必死だったんだ。


 女はいくつであっても少女であり、賢者。って、何かの本で読んだのを思い出したりした。


 たぶん、だめなところもたくさんあるけど頑張ってる。

 それがアタシたちだと思う。


「ミカちゃん、私もいつか、妹たちに好きって言ってもらえるかな?」


 こっそり、雪子せつこさんが言った。


「アタシも言われたことはナイですよ。勝手に思ってますけどね。好かれてるって」


 雪子せつこさんは驚いたような、嬉しそうな表情をした。


「そっか、そうよね!」


 幸子さちこも、由子ゆうこさんも、雪子せつこさんも、テレビの中よりも、昨日よりも、どこか晴れやかな表情に思った。

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