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薄明のハイドロレイダー  作者: 小木原 見縷菊
緑の瞳……——コランダムの葉脈
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 ——病院のベッドの上で、私は窓の外を見ていた。


 美しい夜景と、ネイビーグレーの空に浮かぶカシオペア。


 まるで何もなかったかのように、過ぎていく時間……。


 電気ポットのお湯がく音がして、ピピッ……と合図シグナルが鳴る。


幸子さちこ、ほうじ茶でいい?」


 私が好きなのはココアだけど、今は飲む気がしなかった。


「……うん」


 雪姉せつねえのほうが傷が深いはずなのに、私は甘えていると思う。


 ——それでも、何もする気になれなかった。


 真っ赤な、普段私が選ばない色のマグカップに、にごった色のほうじ茶がれる。


 私はだまって口をつけた。


 少し火傷やけどしたけど、そんなことはどうでも良かった。


「…………」


 雪姉せつねえは丸椅子に姿勢よく座って、絵本なんて読んでる。不思議な瞳の猫の絵本。色が……綺麗だった。


「どこに……いったんだろ……」


「マックスのこと?」


 どうでもよかった。


 でも、そんなことをいてしまった。


「マックスは……|AId《エイド》だからね」


 雪姉せつねえは絵本から目を離さずに、綺麗な黒い髪を耳に掛けた。


 AId(エイド)の全てのことは解明されていない。IOP政府、それから先駆者の雨沢あまさわ博士が、急速に解明してはいるけれど。


 政府に、ペット登録をすれば良かったのか……やり方をく人なんて、いなかったけれど……

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