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——レイダーは、乗る人に依って色が変わる。
「ど……して……」
タープの屋根がバタバタと鳴り、突風が、通り抜けていく……。
「幸子、逃げたほうがいい!!!」
マックスが私の腕を掴む。
私が左腕にしてるライズブレスは黄色と深紅。ここに、在る筈なのに……。
目の前には、深紅のコランダムレイダーが観覧車を見つめていた。
「様子がおかしい!全員避難!!happilarmcess!!」
プロデューサーの無線の向こうで、何人ものスタッフがバタバタと動いている。私は、息が出来なかった。
ブレイズレイダーのベースカラーはスカーレット。でも今目の前にいるのは……
「サブローさん!」
ホログラムモバイルが鳴っている。
「幸子も出て!」
震える手で、ポケットからモバイルを取り出す……
「ふたり共!あれは、コランダムじゃない!マックスはヴェルベティンに、幸子君はヘブンズレイダーの中に避難だ!!」
「でも……」
あれはコランダムだ。
失ったと思った友だちを守るために、私が選んだ武器。
「私のだよ……」
「マックス!幸子君」
深紅のルビーみたいな、私の憧れ。紫がかったピンク色の瞳は、私の夢。
「取り戻さなきゃ……」
「幸子君!」
「だってあれは私のっ!」
失った絆だから……——




