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薄明のハイドロレイダー  作者: 小木原 見縷菊
ブルーグレイの風……——冬の胡桃
480/750

456.5 手記17

 ——やけに静かだ。


 あおいカプセルの中は、思いの外居心地が良かった。


 ヴンッ……——と景色が変わる。


 居心地の良い小さなあおい空間の中に、モニターが現れる。


 あおい、エリアBの亜空間倉庫が、どこまでも続いているのが見える。


三島みしま


 通信機に、拓海たくみの声。


「レイダーの、中はどうだ?」


「快適だよ、すごくね」


 操縦管を握る。


 手の中からぽかぽかとあったかくなり、いい気分だ。


「動けるか?」


 両手を動かすイメージをすると、ゆっくりとモニターにレイダーの手が現れる。


「灰色だ……」


 赤い、ブレイズレイダーは、俺が乗ったら灰色に……月の影みたいな濃灰色のうかいしょくに変わっていた。


「全身、変わってる」


 遠隔操作で、拓海たくみがコックピット内のモニターに、ブレイズレイダーの姿を映す。

 

 手を振ってみると、モニターの中の俺も手を振った。


 歩くことも出来た。


 初めの一歩が踏み出しにくかったけど、一度踏み出してしまえばどこまでも歩けそうだ。


 思い切って跳躍ちょうやくすると、思った以上の高さに飛ぶことが出来た。


拓海たくみ、基本動作は問題ないみたいだ」


「上々だな」


 珍しく褒めてくれたのは、安堵の意味も込めているのだろうか。


 俺は全力で走ってみた。


 痛覚連動システムのせいだろうか……全身に痛いくらいの風を感じた。


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