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薄明のハイドロレイダー  作者: 小木原 見縷菊
雪原の大華……——巻き起こせ、天の奇跡
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「サブローさん!音声をLIVE中継と繋いでください!」


 シュウジが叫んだ。


「よしきた!」


 途切れ途切れだけど、歓声が聞こえる。


 LIVEビューイングのサポーターの人たちの声。


雪子せつこさんはルビーみたいに魅力的です!」


 ————歓喜。


u-co(ユーコ)さんはアメジストみたいに綺麗!」


 ————激流!!



「ハピたんは太陽みたいに明るい!」


 ————……涙……


 それはアタシがシュウジに話した想いでもあり、きっと、今彼女たちを見ているすべての人たちの……感動。


 ……シュウジってさ、ぽそっと話したこととかも、結構覚えてるんだよね……


 シュウジの叫びに、そうだそうだ……!


 というサポーターたちの歓声が重なる。


「それぞれ素敵です!でもそろうともっと、元気をもらえます!!!」


 大歓声が鳴り止まない——!!!



「「「みんな……」」」


ヘブンズレイダーが吹雪の中、真っ直ぐに上昇し、氷山の向日葵ひまわりを見下ろした。



「皆んな、ゴメンね。……いつもありがとう。…… オッケー、私が、天国に……連れてっちゃうよぉ☆」


 銀色の機体が、光を帯びて金色に輝いていく。


「おふざけはここで終わりね。いいわ、ヘブンで会いましょ?♡」


 ヘブンズレイダーの機体が、大輪の向日葵ひまわりよりも明るい輝きに変わっていく。


「ありがとう、もう迷わない。そうよね!?迷い子に♤天の祝福を!!!」


 その光は……強くて——なんて綺麗なんだろう……


 プリズム、銀河、天国みたいな光が銀世界に一気に広がっていく!!!



「ディストレス!!!」


「ヘブンズメイク!!!!!!」


「エモーーーション☆♡♤☆♡♤!!!」


 大輪の花が咲き乱れるような光の波は、舞い乱れる花びらにも似て……————歓声の激流!!!



 どこからか、音楽が流れてる。

 ハピたん!u-co(ユーコ)雪子せつこ

 鳴り止まない歓声の中、雪原の向日葵ひまわりは散ってゆき、銀の世界に浮かぶ彼女たち(ヘブンズレイダー)はただ、希望に見えた……


 女神、聖母、天使(ミューズ)は、確かにそこに存在した——

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