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「ね、ねぇほっしぃ。なんか、あのコ……光ってるね」
下校途中。
いつも、アタシは人けのない路地に行ってからワープする。路地の手前の三叉路まではショーコと一緒だ。今日は路地には行かず、ショーコの家に行くから楽しみ。
その三叉路に、地味なベージュのフードを目深に被ってるけど、プリズムみたいなキラキラを抑えきれてない幸子が立っていた。
「ミカ、私と一緒に帰ろう」
「え!?え、えっと、今日先約があって……」
「幸子とそのコ、どっちが大事なの?」
……ん?
「昨日ね、シュウジ君が、言ったの。これから、姉と仲良くしてねって」
どういう意味だ?搭乗とお茶、どっちが大切なのかってコト!?
でもなんか違和感があった。
……違う気がする。
「えっとね、たぶんシュウジはそういう意味で言ったんじゃないと思うっていうか、トレ……(ーニングとはいえないか)採掘練習、今日ないし。ショーコ、行こ。あのコ埋蔵金サークルのコなんだ」
「へぇ。……ショーコちゃん、知らないんだ」
くす、と幸子が笑った気がした。
(来ないなら、言うよ?)
唇がそう動いた、気がした。
って言うか……別にショーコに知られて困ることないし!きっとショーコは、態度を変えたりしない。……でも、巻き込みたくなかった。
「ショーコごめん、お茶、また今度でも大丈夫……?」
「いーよ。あのコなんか差し迫ってそうだし」
確かに、レイダー搭乗は怖いし、幸子は終始アイドルしてたけど、仲間になるアタシにやっぱり話したいこととかが、あるのかもしれない。




