表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
薄明のハイドロレイダー  作者: 小木原 見縷菊
雪月花……——鋼鉄のダブルムーン
416/743

397

 予定通り、月でのトレーニングが始まった。


 アタシは少し元気になって、日々を過ごしている。


「OK、ハイドロレイダーいい感じだ」


 低重力下での駆動にも慣れてきた。


「この感覚を少しずつ記憶してほしい」


 少しずつ。


 初めは慣れなくても、繰り返し記憶する。


 アタシはいつの間にか、無理という言葉を言う機会が減ったかもしれない。でもそれは自分だけの力じゃない。


「今日はここまでにしよう」


「分かりました!」


 達成したみたいな弟の様子に、アタシはいつも安堵する。


「ジュン君、ご飯食べたら卓球しようよ!今日はとんかつだってさ」


「シュウジは明日小学校だろ……」


「少しだけ!あねもやんない?」


「アタシはやんない」


 トレーニングはジュンとアタシはクラスの単位になるから、集中して取り組むことが出来る。……けど、アタシにはもっと知りたいことも覚えたいこともあるから、少しの時間でも出来ることをしようと思っている。


「まぁ、二人で楽しみなよ」


 遊ぶときは遊ぶことも大事だ。


 アタシだって最近はいくつかのミュージックビデオに合わせてカスタネットを叩いたりしてる。正直たのしい。


 でも今日は頑張りたいのだ。


「じゃ、また今度やろ」


 それで理解してくれる弟はさとい。


「おぅ、ありがと」


 アタシは息を吸い込んだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ