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俺の心は闇だらけだ。
「出力、最大!!!」
お前を救えなかった。
「まだよ、雨沢君!まだ出せるわ!!」
友だちのふりで、偽りの光を放つ星。
「ライさん!!!」
操縦管を握り直す。
「お前なんて!消えてしまえ!!!」
後悔だらけの……自分。
凍てつく光ごと、闇が覆っていく。
「もう……腕がっ……——!!!」
「もう少しです!小松さん!!!」
全部……全部!!!
「消え……ろぉーー……——ッ!!!」
ねぇ、出来ないと思う?
……出来るわけない
俺に?
違う!俺にだ!
「俺はそうは思わないよ」
……二発目をやられて吐いた日、いつもと逆に、お前が俺を運んだ。
「お前は悪くないよ、ライ」
鳩尾を抉られるようにやられ、吐き気が止まらなかった。
「あいつがどんなことをやったって、どんなことを言ったとしても。……決めるのは君だ」
心が死にそうだった。
この痛みがどこに向かうのか、分からなかった。
「な……ぜ……神は折れ……ない?」
不思議で……仕方が無かった。
「さあね……たぶん、負けず嫌いなだけだ」
くだらない理由だ。……それでも、俺は……
「俺が折れたら、お前がやるんだ、ライ」
「嫌だね……」
「減らず口を。なかなか元気じゃないか」
染みついたミードの香り。
意識が飛びそうだった。
……それでも、俺は……




