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「姉!あれ……」
レイダーのモニターに、突如美しい星々が浮かぶ。
「気をつけろ、アレがおそらく今回の敵だ……と、先程雨沢が言っていた」
「そういえば宗ちゃんはどこに行ったの?」
母艦への転移後、サブローと二、三話してから小松さんが消えた。
アタシたちは母艦の格納庫に急ぎ、それぞれの機体に乗ったけど、コランダムには幸子が乗ってる。
格納庫までは一緒にきた筈なのに……!
「ほっしー!シュウジ!あそこ……小松女史じゃないか?」
ジュンが拡大したモニターの向こうに、黒いライダースジャケットの小松さんが居た!
「本当だジュン君!関野艦長もいる!!!」
生身で!!!
「サブロー!サブロー!!どうすればいい!?あの星、雲みたいな力を蓄えてる!このままじゃ二人が危ない!」
アタシは必死に聞いた!
イヤリングに嫌な感触が伝わってくる。
「大丈夫よ!星ヶ咲実華ちゃん!」
小松さんの声に、こんな時にほっとしてしまう。
「ライさん!」
「お、おう」
黒いライズブレスとサファイアブルーのライズブレス。
二人の姿がモニターから消える。
「姉……あれ……!!!」
シュウジの目が輝く。
「羨ましいか、シュウジ」
不敵な兄の声。
「巨神……」
巨大なレイダーを更に見下ろす黒い瞳がそこに在った。




