表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
薄明のハイドロレイダー  作者: 小木原 見縷菊
遠い幻……——重ねたギルティ
401/743

384

 何か出来ることは無かったか


「アクアフルール!!!」


 ヤツが作ったバリアシステム。改良され、薄められ、扱い易くはなった。


「だかなァ!」


 始祖のこれは、バリアなんかじゃねぇ。


蒼の瞳(サファイアアイ)!!」


 もっとあおく、青く、深く……ロビーに浮かぶ偽りの星々(ディストレス)を、蒼いつぶてが打ち砕いていく……!


「守るなんてつもりは無かったよなぁ!?」


 見捨てた俺を。


 ……人類を。


「この痛みにはね、意味があるんだよ」


 繰り返しそう言ったお前に、出来たことがあったんじゃないのか?


「がっ!」


 雷が背中を直撃し、瞳があおに変わるのがわかる。


変幻眼へんげんがんの持ち主か……興味深い」


 お前にとって、それだけの興味。


 盟友と思っていたのは俺だけだ。


「また俺は、何も出来ないのか……」


 傷ついていく基地を、海を、惑星ほしの輝きを……


 水素針すいそしんが、手から抜けていた。


「俺に何が出来ると思ったっていうんだ……」


 お前との約束を。


 お前の背に無数に刻まれた傷に、俺は追いつくことすら出来ないのか……


「いいんだよ、ライ。だって僕は剣士でもないし、科学者だから」


 新しい未来を、作れさえすれば……


「科学者じゃなくて……大統領になっちまったじゃねぇか……」


「ライさん!」


 もう、立ち上がることが出来ない。


「誰だ……何だ……その真っ黒な格好は」


「これは……私の罪です」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ