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「星ヶ咲シュウジ君だよね!?」
聖夜に輝く魔法の鈴みたいな、透明でキラキラの声が耳に弾けた。
ウチのアパートの前に不似合いにも、オーロラのような光に包まれた美少女がキラキラと佇んでいる。
身長はアタシと同じくらい。ふわふわのミルクティーカラーのローで纏めたツインテールがめちゃくちゃ可愛い。
「えっと……なん、なんですか?」
少女はアタシの上擦った問いには応えず、キラキラとした飴色の可愛い瞳で、シュウジを見つめている。
「新聞で見るより可愛いのね」
凪のような声。
美少女の後ろに、スラッとした美女が登場!……いや、聖母?
さらっさらのストレートの長い髪が、朝日を透かして風に揺れるのがめちゃくちゃ綺麗で見惚れてしまう……
「やーん可愛い!なでなでしたいくらい!!!」
美しい炎が灯る声。
更に後ろから、スタイル抜群の美女!いや女神?
たっぷりのパーマヘアを高い位置で纏めたポニーテールが軍神のような美しさを放っていて拝みたくなってしまう!!
ドキドキしながら、なんの変哲もない二つ結びを美少女と比べてしまう……。
「あの、ヘブンズレイダーの搭乗者の方たちですよね?」
シュウジはにっこりと笑って訊いた。
「「「きゃー!そうなの!!!」」」
美(少)女たちの登場に、アタシはドキドキしていたが……弟は慣れている。ちっ!
「あの、僕と姉、今から学校なので……後で改めて挨拶しますね!」
「「「可愛いー!!!」」」
黄色い声を聞きながら、アタシたちは通学路へワープした。




