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生命とAIの混血。人類の悲嘆。
Artificial Intelligence of distress、悲しみの人口知能——
=AId。
繰り返される戦争、破壊、汚染、様々な争い……。
はるか昔、この地球では人間以外の生き物は滅んだ。
その一方で、人類は滅びに抵抗した。
科学の爆発的な進歩と発展。
人類は生命をも造り出すことに成功した。
猫、鳥、虫、クジラ……植物でさえも。
人類は破壊や発展と引き換えに、すべてを人工で補った。
賞賛と悲哀を込めて、いつしか彼らはAIdと呼ばれた。
楓は死ぬことが出来ない。
AIdは、人の管理がなければ、元の姿を維持することができない。
環境を学び、最適化を繰り返しながら、存在し続ける。
環境によって、猫は猫ではないものになるのだ。