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薄明のハイドロレイダー  作者: 小木原 見縷菊
手のひらの石……——風前の紅葉
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「あー居た居たッ」


 サブローが本部の本棟から中庭へ駆けて来る。


 赤い嵐の中で、何故か少し楽しそうに見える。


「ミカ君、メッセージありがとう!あぁ、みんな居たんだ……」


 少し息を切らせて、サブローはやっぱり楽しそうに見えた。


 約束を破られたっていうのに、サブローってちょっと変だけど、そういうところに救われることが多いのも事実。


「えっと、ごめんなさい、三島みしまさん」


 クス、と笑いながら、そうちゃんが少し申し訳なさそうに手を合わせる。


「もォー!ごめんじゃないよぉ!!!」


 と言いながらも、サブローも楽しそうなのでアタシはちょっとため息をついた。っていうか、なんかカノジョっぽい。


「ごめんなさーい……」


 本当に申し訳なさそうなシュウジに、サブローは姿勢を正して、まぁ起きてしまったことは仕方がない。と言って、ふぅ、と息を吐いた。


 ジュンとリイヤは、口笛なんて吹いている。


「時間分けないと帰るの遅くなっちゃうからね。しかしこうなったからにはまぁ、ミーティング後、遅くなっても、残ってもらうからね!」


「「「はーい」」」


「俺は別に……」

「全員です!」


 そうちゃんをサブローがつかむ。


「観念したら?」

「……なんでみっちゃんは平気なわけ?」

「なんでって……」


 アタシにはもっと痛いことがある。でもそれをうまく言えなかった。

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