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薄明のハイドロレイダー  作者: 小木原 見縷菊
9月の月……——刻遺のクリザンテーム
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「綺麗……」


 テレビ画面に、真っ赤なサルビアが山一面に咲き乱れている。


 燃えるようなサルビアは、夏の最後の炎みたいだ。


「湯布院か……行ってみたいな」


「サブローさん、僕たちも行きますか?」


 太陽が落ちて、真っ赤なサルビアを更に赤くし、消えない炎が画面一杯に広がっている。


「いや、大丈夫だろう」


 エレクトーンのストリングスのイントロ


「宇宙みたい」


 コランダムレイダーが画面に現れる。


 パイプオルガンの旋律の中にhappi(ハピ)larmcess(ラルムス)の声が重なる。


「綺麗……」


 エレクトロビートに涙が誘われる。


「どうしてこんなに違うんだろ……」


 コランダムブレイズにサルビア(ディストレス)かれていく。


「違くないよ」


 シュウジが、画面を真剣に見つめている。


 この映像はMVとして、HyLA(ハイラ)の広報に使われるのだそうだ。こんな規模のこと、アタシには出来ない。


 赤いレイダーが跳躍ちょうやくして、炎が心を熱くする。


 ひときわ巨大な、欲望(サルビア)


 スピーカーの幸子さちこの声と、エレクトロビートの上のhappi(ハピ)larmcess(ラルムス)の声がリンクする。


「「明日、ドキドキするために!」」


 水素針すいそしんに光が集まる


「「あの日を思い出すために!!」」


 七色の光が……


「「忘れない……けして……」」


 花びらになる——!!!


 果てしないプリズムに呼吸いきが止まった——

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