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薄明のハイドロレイダー  作者: 小木原 見縷菊
9月の月……——刻遺のクリザンテーム
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 由子ゆうこさんもいるなんて丁度いい。


 サブローも、変な性格だけど、搭乗者アタシたちの気持ちは理解してくれていると思う。


「あのっ」


 けど、アタシは思いを口にすることに慣れてない。


 もしかしたら、雪子せつこさんや由子ゆうこさんを、意図せずに傷つけてしまうかもしれない……。


 けどアタシなりに、仲間を大切に考えてきたし、親友とは違うけど、雪子せつこさんも由子ゆうこさんもアタシにとって大切な人だ。


 アタシはコーヒーの苦味をみ締めながら、必死に言葉を探した。


幸子さちこのことなんですけど……」


 雪子せつこさんは大きなため息を吐いた。


「変よね、あの子」


「……!!」


 由子ゆうこさんも目をせてうつむいている。


「なにか……何もないならいいんですけど、何か苦しいことがあるんじゃないかってアタシ……カレーも食べに来なかったし」


「バースデイブルーってやつかな……」


 ずっと黙っていたサブローがぽそっと言った。


「バースデイブルー???」


「どうかな……あの子いつもこの時期はファンの人と生誕祭ライブしてて楽しんでるけど」


 由子ゆうこさんの手首の先で、カラカラとティースプーンが回る。


 そういえば秋頃、ハピたんの新曲が出たり、メディアで盛り上がっているイメージだ。


 クリザンテームの髪飾りと共に、ハピたんが色とりどりの落葉の中で収穫を祝うフェスをやることで秋を感じたりしてたけど、あれってハピたんの誕生祭だったんだ……

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