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海を背にして山を目指す。
太陽を背にして。
オレンジ色の黄昏が、藍い闇に少しずつ染まっていく。
「綺麗……」
一番星が、東の空に輝く。
「ほっしー、シュウジ。我の真の姿を見たからには、一蓮托生だ」
いや、前にも見たし。
「うん!ずっと仲間ってことだね!」
弟よ……いいやつだな!
「なんだろう……あれ、青い……洞窟!?」
山の中に、光る洞窟がある……!その上に、向日葵の花に似た大輪の花が犇めき合っていた。
「——ルドベキアか……これはまた大きいな」
モニターに表示された解析映像の花の名前をジュンが読み上げる。
「向日葵に似てる……」
山の上の向日葵……でもかつて、ヘブンズレイダーはそれを全て消し去った。
青い洞窟と、ほのかに残る夕陽を浴びて輝くその機体は、天井の絵画みたいだった。
「雪子君、由子君、幸子君。対象に大きな動きはない。慎重に近づいて欲しい」
「大丈夫よ♤」
「オーケー♡」
「はーい☆」
「ほっしー、シュウジ、ヘブンズレイダーを援護するぞ」
「オッケー、ジュン君!」
「わかった」
なんだかあの時が懐かしい。
今、穏やかな呼吸の中で——寒くて冷たくて、必死だった記憶が甦る。あの時のアタシって必死だった。
「ほっしー、どうした?」
「なんでも」
「マックス君!僕たちミッションで進路を少し離脱するね!」
「オケィ、シュウジ!」
今のアタシたちに出来ること……。
なんかそれって……増えた気がする!!




