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「あーん!!!オフなのにぃ!!!!!!」
通信機から幸子の声が響いた。
「すまないね、幸子君。でもヘブンズレイダの航行速度は非常にいい感じだ!ファントム、フィンヨンは歩行に慣れてくれれば大丈夫。ブレイズについて行って欲しい」
「りょーかい!」
「分かりました」
緊急招集じゃないからか、リイヤとリディアの動きは落ち着いていた。
「ハイドロレイダーは周囲を警戒してくれ。殿はマックス君が……恰好いいなぁ。いや失礼、マックス君、頼んだよ」
「分かりましタ!」
マックスのヴェルベティンレイダーは、HyLA-Eighthのエース機体として、かなりのミッションを成功させているらしい。そういえば、マーガレットさんとエリカさんは元気かな。真っ黒な機体とエメラルドみたいな緑に輝く瞳が、確かにシュウジもサブローも好きそう。……ていうかジュン。
「ヴェル・レイダーか……ふむ」
久しぶりに見た黒髪のジュン。
少し身長が伸びていたし、前髪が短くなって、前に見た時よりも爽やかな学生風に見えた。
「ジュン君、その恰好もいいね!いつももいいけどさ!」
「……いい、そういうのは」
決まり悪そうにそう言うけど、まぁ表情は分かりやすくなった……気がした。
あ、ゴーグルは装着するんだ。




