表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
薄明のハイドロレイダー  作者: 小木原 見縷菊
ミルキーウェイ……——ゆく夏のアサガオ
342/747

330

霧谷きりたに君、気になるなら来れば良かったのに」


 リディアがモバイルホログラムメッセージを見つめて、ため息をついた。


 リディアの折りたたみのモバイルはレトロだけど、真っ白なふわふわのフェイクファーに覆われていて、触り心地が良さそうだった。


「あ、あぁ、玲鷗れおん?なんか岡山に帰るんだってね」


「そっか。まぁ写真を送ってあげよう」


 リディアのモバイルのシャッター音が、海の景色を切り取っていく。


 アタシもジュンに送ってやるか。


 月と星の岩にレンズを向ける。


「なぁんか、女神と騎士ナイトみたい」


 レンズの端に入り込む由子ゆうこさんとマックスを見て幸子さちこつぶやいた。


「う……確かに今日の由子ゆうこさん、女神みたい。っていうかいつもじゃない?てゆか、幸子さちこ由子ゆうこさんのビジュ好きよね」


ちがっ!別にそういうんじゃないから!!もー!ちょっとシュウジ君のとこ行って来る!!」


 由子ゆうこさんもだし、幸子さちこ雪子せつこさんの姿にもたまに見惚みとれていることをアタシは知っている。……妹だとか関係ないよね。


 少しレンズをずらしたら、空と月と星がいい感じに切り取れそう。しかし……


「気になる……」


「ほっしーちゃん、どうしたの?」


 撮影を終えたのか、リディアが伸びをしながらアタシを見つめた。


「い、いや、大丈夫大丈夫。いい写真とれそ!」


 シャッター音がアタシの思考の確かさをクリアにする気がする。


 ……んだろうな。


 カシャ、カシャ、と切り取られた景色は綺麗で、切ない。


 ここに来れば良かったんじゃないか……


 そばに居たい、というのとは少し、違うのだろうか……


「アタシにはまだ分かんないや」


 ジュンが傷つくことが無いように、そう願って写真を送る。出来れば、幸せで居て欲しい。


「あ、すぐ返ってきた」


 リディアが見せた玲鷗れおんは、地元の子どもたちに囲まれて嬉しそうだった。


 アタシのモバイルも、すぐに光った。


 ——ありがとう。


 これでいいのかは分からないけど、ジュンもそう言った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ