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薄明のハイドロレイダー  作者: 小木原 見縷菊
ミルキーウェイ……——ゆく夏のアサガオ
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 三陸海岸の海岸線を、真っ白な古代のハイエースが走る。


 天気は曇り。


 ……だけど、このあと晴れてきそうな予感がする。


「サブロー君、このまま海沿いよね?」


「悪いね、雪子せつこ君、運転変わってもらっちゃって」


「好きなのよ、ドライブ」


 雪子せつこさんの運転は穏やかで、なんだかいい夏になりそうな予感がする。アタシは隣の窓際の幸子さちこを見た。


 絵……絵になる……。


 夏空を眺める美少女は、アオハルを予感させる。


 この旅をいい思い出にしたいと言っていたシュウジは後部座席でリイヤとじゃれていた。


 二人と通路を挟んで隣のそうちゃんは、なぜかまたつけ髭とゴーグルで少し暑苦しいけど、時折、愉しげに二人にちょっかいを出している。


「チョコスティック食べる?ほっしーちゃん、幸子さちこちゃん」


「わ!食べる☆リディア用意いいね!」


 アタシの通路を挟んで隣のリディアからチョコスティックを貰って、ふんわり甘くてサクサクで、気持ちが解けていく。


「私もいただけるかしら?」


 ひとつ前の席から顔を出した由子ゆうこさんの美しさにぽーっとするリディアが可愛い(分かる!)


「俺も!」


 由子ゆうこさんの隣から顔を出した黒い巻き髪を短くしたマックスは、背が伸びてモデルみたいになっていたけど、親しみやすさは変わらなかったし日本語が少し上手くなっていた。


「ねー、窓開けよ☆」


 海風が最後の夏を予感させた。

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