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「ホーリーチェリーが発見されました」
「「「「……」」」」
「大きいです、超、大きいです」
サブローは変な奴だけどロジカルだと思う。
超、とか言ってしまうくらい大きいのだろう。
サブローはうちのテレビをつけた。
ホログラムモードを展開し、ちゃぶ台の上に、美しい一輪の薔薇の蕾と、富士山が浮かび上がった。薔薇の大きさは富士山の高さと同じだった。
富士山は古代から日本を象徴する山で、現在およそ3000メートル。レイダーは33.3メートルだから、約100倍の大きさだ。
「サブローさん」
シュウジが神妙な面持ちで口を開いた。
……そうだよね。怖いよね。
「あの……これは薔薇みたいなので、ホーリーローズ……ですかね」
ん!?
「なぁシュウジ、トレーニングの時に、みっちゃんとシュウジさ、なんか良さそうな台詞言ってるよね」
えっと、宗ちゃん?
いやいや、嬉しそうに教えてる場合じゃないよね、弟よ。って宗ちゃんも笑顔だな!
「そういえばシュウジ君、亜空間バリアの名前は決めたのかい?」
サブロー!
「まだなんですよね……宗ちゃんどうかな……?」
「うーん、アクアフルールなんてどうかな。碧い紫陽花みたいに見えるだろ」
かつて、幼かったシュウジをロボット漬けにした犯人を思い出した。




