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薄明のハイドロレイダー  作者: 小木原 見縷菊
37.8°C……——雷鳴と風鈴
334/744

323

「えっ、なんか……別にアタシたちがいなくても」


 水圧で進みたくても前に進めない。


 湾岸に、激しい戦火が見える。白金の光が、迫り来る黒い軍勢(ディストレス)を圧倒していた。


 やらなきゃいけないことが、見えてるはずなのに……


 進みたくても足を取られて進めない……そういう夢を見たことがある。


 そして、自分がやらなきゃと思っている間に、他の誰かが自分よりうまくやってしまうのだ。


「強いな……ノーマン」


「ちょ、ジュン君!ちゃんと歩こうよ!!でもほんとに凄い……フィンヨンの水素針すいそしん、何であんなに綺麗なんだろう」


 リディアの神竜フィンヨンは、人の姿になっても、その神々しさで夥しい数の鴉(ディストレス)を圧倒していた。


「リイヤは……まだまだだな」


「聞こえてるよ!ジュン!!早く来い!!!」


 リイヤの海蛇ファントムは騎士のような姿に変形し、剣のような水素針すいそしんを振り回してからすを追い払っていた。


「武器!格好いいよ!リイヤ君!!!」


「ありがとよ!シュウジ!!!」


 そうちゃんのブレイズレイダーの炎は金色を帯びて、迫り来るもやにも似たからすたちを消滅させ続けていた。


 誰も傷ついてはいない。


 でも駄目だ、数が多すぎる——そうちゃんでも消しきれない闇を、アタシたちが何とか出来るのだろうか……


「皆んな!からすの発生源を解析中だ!……良くない結果が出そうだ……からすを海に近づけないでほしい!」


「分かってます!」


 そうちゃんが跳躍ちょうやくする。


 その姿を追って、もやのようなからすたちが海岸沿いを飛び抜けた——……!!

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