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薄明のハイドロレイダー  作者: 小木原 見縷菊
37.8°C……——雷鳴と風鈴
329/741

318

 激しい嵐の後には、透き通るような快晴が待っている——。


 驚くほど綺麗なあおい空の下で、真っ白なイルカが自由にぶ——……!


 そしてしたたかに波間を制する鈍色にびいろ海蛇シーサーペントと、海の神秘を詰め込んだ美しい神の化身(ホワイトドラゴン)の間を、楽しげに泳ぐ——……。


「シー・リバティ・ドルフィンチーム、迎撃に備えてほしい」


 通信機から、サブローのげきが飛ぶ。


「分かってる!」


 灰色の東京湾を三体の水中機体が潜っていく。


 自家発光機能があるフィンヨンレイダーと、リバティ(アタシたち)のパルスを主体に暗い海に灯りを差していく。


「怖いなー海……」


 リイヤの軽い冗談に、気が抜けてくる。


「イルカよりも、海蛇シーサーペントのほうが若干、うらやましいがな」


 ジュンもいつも通り。


 アタシは灰色の海が好きだ。


 先が見えない、薄暗い海でもアタシの育った東京の海。


 ここには生き物だっているし、日々の闇も、そこにある暖かさも、辛かったことも、重たくて優しい水の中に、すべてって、それをぼんやり見てると気持ちが癒されてくるのだ。


「私、好きかも。ここの海」


 通信機からリディアの声がぽつりと聴こえた。


「先が見えない景色も、ワクワクするよね」


「そーだね」


 だからアタシも灰色が好きなのかも!


 東京湾内の磁場発生源の記録を取ることと、映像の撮影……今日のミッションはそれだけだ。


 まぁ絶対、この先には危ないやつ(ディストレス)が居るんだろうけどねっ!!!

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