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薄明のハイドロレイダー  作者: 小木原 見縷菊
37.8°C……——雷鳴と風鈴
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「みっちゃんもやる?」


 そうちゃんは一応、そう聞く。


「……やろうかな」


 なんて言ってみる。


「えっやろうよやろうよ!!!」


 嬉しそうにシュウジがコントローラーを渡してくる。


 アタシだってゲーム、やったことないわけではない。小学校の友だちの家でみんなで集まる時は、誰かしらゲームをやってたし、ぷよぷよとした生き物を落として繋げるゲームは結構得意だったりした。


 やってみれば、楽しいことはたくさんあるって本当は分かってる。


 綺麗な絵本を見たり、家族や友だちの笑顔を見たり、音楽を聴いたり、色を塗ったり、手紙を書いたりするのも好きだ。


 もちろん、かえでを撫でたりすることも。


 ドゴォーーーッ……——ン!!!


「落ちた!!!」


 そうちゃんがサッシを開けて、赤紫に怪しくビカビカ光る空を見上げる。


「ちょっと!!!」


 アタシは慌てて窓の周りの畳にバスタオルをかけた!!


「全部ビショビショ!!」


「まぁ夏だから。見て、あね、凄いよ……」


 地下基地の中は、実際の天気と連動してる。


 基地の中で雷が落ちたとすれば、実際に落ちたのだ……。


「なんか、ジュン君が好きそうな空の色だね。大丈夫だよあね。東京の街には、避雷針も、現代の傘にはアースが付いてるし!」


「そうだけど……」


 アタシはなぜか、胸騒ぎがしたのだ。

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