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「ハイ、どうぞ」
「あ、ありがと」
なんかサブローって部活のマネージャーさんみたいに気が利くよね……まぁそんな役割なのかもしれないけど。
アタシは紫のビー玉ソーダを受け取って、トレーニングルームの椅子に座った。
トレーニングルームは26.5°Cに保たれているけど、やりきってすっごく暑い!
「あ、おいし……」
リディアも嬉しそうに、黄色い向日葵みたいなビー玉ソーダを飲んでいる。
あ、弟よ……赤いソーダか……やる気あんじゃん……リイヤは銀、ジュンは……虹色!?でも夏のビー玉ソーダってすっごく綺麗だよね。
サブローから朝顔のうちわを受け取り、夏気分がさらに増してくる。
アタシたちは、東京湾内調査のため、プールトレーニングを続けていた。
海から発生している磁場……
Yawning Energic Hormone. AIdの活動に伴う運動エネルギーに作用する磁力を持った人工物質、YEHの調査のためだ。
初めてリバティストームレーザーが成功した日、アタシたちはブルーホールの調査を依頼されるんだと思ってた。
「ブルーホールは分からないことが多すぎるからね……まずは出来ることからだ」
サブローはそう繰り返してる。
「姉、いいよね!」
「うん……(?)」
ぼんやりしてたアタシは、シュウジにそう応えてしまった。




